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2005.08.21

ニームの日本語の文献

ニームについて日本語で書かれている書物は多くありませんが、そんな中からニームについて記述を紹介します。

◆「ネパール・インドの聖なる植物」(㈱八坂書房)
著者 トリローク・チャンドラ・マジュプリア(訳者 西岡直樹)

<インドセンダン-悪霊を追い払う葉>
~省略~
 ニームの木にまつわる信仰は豊富である。そして数多の神、女神がこの木と密接な関係をもつとみなされている。シータラー女神もこの木に住み、この木をとりしきる女神の一人とされる。
 シータラーは天然痘の守り神であり、この女神はニームの木に吊るしたブランコの上に座した姿で描き表される。シータラー女神ののどが渇いたときには、因習的におの女神の信奉者だとされる庭師が、水をあげることになっている。天然痘にかかったときには、病魔を叱責し、病気の症状をとり除くために葉のついたニームの小枝が様々な方法で使われる。また、この枝で患者を扇いだりもするが、そうすることによって病状が和らげられるものと信じられている。村人がシータラーの女神を称えて歌う賛歌には様々のものがあり、その中には患者の病あらの解放を期した女神への訴えが多く聞かれる。チャイトラ月の新月あら満月までの白分の日にシータラーの女神は祭られる。ヒンドゥーの婦人たちはニームの木に住むシータラー女神に花や菓子を捧げ、ヴァーミリオンを塗って礼拝するのである。
 ニームの木の葉は悪霊を追い払うのに使われる。もしもある者が悪霊に憑かれたら、その人はニームの葉を焼いた苦い煙を嗅がされる。また産屋の戸口の外でニームの木枝がたかれることもあるがこれも悪い霊を追い払うためで、ニームの煙は悪魔や悪霊が部屋に入り込むのを防止すると一般に信じられている。またニームの葉は火葬をすませて火葬場から帰ってきた者たちを死者の霊から守るとも信じられている。ニームの葉は、死者との接触によって起こる悪影響をとり除く力をもつとみなされているのである。ある地方では、悪霊の侵入を阻止するために、出産時に牛の尿を満たした壷と数本のニームの枝が産屋の戸口の前に置かれる。またある地方では男が産屋に入るときには、ニームの枝を使って足を牛の尿で洗うか、または足にそれを少々ふりかけなければならないというしきたりがある。バラモンの家に子が生まれたときには、家の表口と裏口にニームの木の葉が吊るされる。
 人が蛇にかまれたときには、毒が回っているかどうかを確かめるために、早急に黒コショウとニームの葉を混ぜたものが患者にほどこされる。毒蛇にかまれた患者を治療する村の民間医は、患者の体にニームの葉の束をあてながら呪文を唱え治療を行う。一部のヨーガ行者たちは耳たぶに穴をあけ、そこへニームの枝の小片をさす。
 奇異に映るかもしれないが、遊牧民の間では妻の純潔をニームの木によって試すという習慣がかなり盛んであった。夫はニームの枝を地面に放り投げ、妻に向かってこう言うのである。「もしもお前が性的に貞節な妻であるなら、そのニームの枝を手の中にとり上げてみよ」
 何箇所かの地域社会では、カーリー母神の代わりとしてニームの木の下に住むものと信じられており、ときには刻みの入れられてない石が母神の代わりとしてニームの木の下に据えられている。
 ジャガンナータ、スバドラー、バララーマの像はニームの木でつくられる。ニームの木でつくられたこのような像はダール・ブラフマー(木のブラフマー)とかダール・デーヴァタ(木の神)と呼ばれる。インドのプリーにあるジャガンナート寺では、無傷のニームの木あら様々な神像がつくられるという。そして数年後に、これらの神々の御神体は、やはり特別なニームの木でつくられた新しい御神体と取り換えられるのである。
 ニームの木は蛇神信仰とも関係がある。蛇の女神マナサーはニームの木と深い係わりをもっている。この関係は中世初期に起源する。ニームの樹の神聖視はインダス文明の時代に遡る。ある地方ではニームの木の下に石像が据えられ、礼拝されている。
 家畜を病気から守るために、ニームの葉と壊れた土壷の破片を紐で結んだものが、村の入り口に吊るされる。
 ニームの木に関する祭儀は、多くの学者によってさまざまな形で述べられている。ベンガル地方ではパト・ゴンシャイとかニル・プジャと呼ばれる変わった祭りがある。この祭りはチャイトラ月の29日に行われる。村人たちは祭りの3日、あるいは3週間前に、前もってパト・ゴンシャイという柱を立てておくのだが、その柱の長さ2フィート5インチ~6フィート5インチぐらいのものである。この類の祭礼は、まさに樹幹への崇拝なのである。ある種の草や木は、ヴラタ儀礼を行うのに不可欠な材料となっているから神聖視されるのである。チャイトラ月の前半には、ニームの葉を食べたり、葉から搾った汁を飲むという伝統があるとも述べられている。

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コメント

これからもニームについていろいろ調査したものを掲載してゆきます。
楽しみにしていてください。
ではまた。

投稿: 草間章宏 | 2005.08.22 08:59

こんにちわ!!
丁寧なアドバイス嬉しかったです!!
では今年はもう我慢ですね。。。(>_<)
来年までに大きく育ってくれると嬉しいなって
思っています!!(^_^)
ニームって本当にいろいろな事に利用されているんですね!!
ココのブログにお邪魔させてもらっていろいろな事が教えて頂けて嬉しいです!!

投稿: みぃこ | 2005.08.21 17:55

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